建設工事をはじめる場合、当の目的物は商品として直接目にみることが出来ない。ましてほかの施工者によるものと比較して選択することは不可能である・せいぜいほかの施主のために作られた過去の生産物が、参考としてあるだけだ。だから注文主と施工者の結びつきには、直接的な媒体としての目的物以外の何らかの手掛りが必要になる。それは双方の接触範囲を手さぐりして得られることが多い。この方法、ときには商品そのものを市場になげだすことによって得られる結びつきよりも、確実な場合もある。
[参考]
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しかし一面こうしたやり方は公開性を欠いていて狭いし、ときに双方にとって危険でもある。この場合媒体になり得るものがあるとすれば、過去の実績あるいは人格的な信用ということにならざるを得ない。こういう発注・受注関係においては、かなり大量で継続的な需要者のもとではいわゆる出入職人・商人の関係が生じやすく、一方少量でまれにしか需要のない発注者は、よりその工事を自己の行為として執着しやすい。おまけに生産現場は需要者の敷地あるいは指定する場所であり、生産過程はその目の前で進行する。